HOME>ヘルパー体験記>布団をかぶって泣いた夜
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ある、身体障害をお持ちの女性のガイドヘルパーを時々させていただいています。下肢に障害があり、トイレ介助が必要です。下肢に障害があるというのは、彼女の場合、足が使えない、と思ってください。 ガイドヘルパーを始めて最初の頃で、彼女のガイドヘルパーを依頼された時はドキドキしました。ちゃ、ちゃんと出来るだろうか・・・?と不安で不安で。まかせる方はもっと不安ですよね。よく、まかせていただけた、と思っています・・。 外出先でのトイレのこと、やっぱり私は上手く彼女を移乗することが出来なかったんです。うまく便器の上に移動出来ない。移乗してもその後車椅子にちゃんと移乗出来ない。 私は実習の時もすごく下手下手下手で、うまく出来ませんでした。でもそれなりに一生懸命練習したんですが、それでもやっぱり実践は違っていました。実習では相手は健常者です。途中でやめることも出来ました。でも、実践では違う。 はっきり言うと、これまでのヘルパー経験の中で、一番大変だった瞬間です。 まあどうにかこなすことは出来たんですが、はっきり言って、おたおたしました。いくらトイレの中とは言え、年の若い女性に下着を脱いでもらった状態でおたおたしたんです。彼女は気にはしてはいなかったけれど、私は申し訳なくてしょうがなかった。 私でなければ、私以外の人なら、上手くやれるんだろうなあ・・と考えて、その日の晩は、布団をかぶって泣いてしまいました。 もう彼女からの依頼はないかもな・・と思っていました。でも時折依頼はいただくんですよ。 断ることも出来ました。ですけど、彼女がせっかく声をかけてくれているのだから、行ってみよう、と思いました。 そこから、体重が60キロある介護者の人に頼んでトイレで実習しました。車椅子も借りてきました。途中でやめることなく、何度も何度も練習しました。結局2日くらい付き合ってもらいました。そして、やっと出来るようになったんです。 後から考えると、単純なことなんですよね。便器の真横に車椅子を平行に置き、利用者さんを移乗する。たった、それだけのこと。 でも、当時の私には難しかったです。ガイドヘルパーって緊張するんですよ。行ったこともない所で外出先で車椅子対応型のトイレを探すだけで大変。その上、たった一人だし。そういうストレスもかかっていたのかもしれません。それでも、彼女のおかげで勉強になりました。よかったと思っています。 |