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「ちょボラ」の気持ち 〜ホームヘルパー (訪問介護・在宅介護)体験記〜 ![]() |
「ちょボラ」と言う言葉を初めて聞いたのはテレビCMでした。
「ちょボラ」というのは、「ちょっとしたボランティア」の略です。 当時のテレビCMでは、車椅子に乗った人のために、エレベーターのボタンを押してあげていた女性が登場していたように覚えています。 エレベーターのボタンを押すという、「指一本で出来るボランティア」という言葉で「ちょボラ」が紹介されていました。 この「ちょボラ」についてのCMを初めて見た時の感想は、「本当に指一本で出来るボランティアっていうのがあるんだ!!」というものでした。知らなかったのでびっくりしました。 私は、ボランティアというと、ボランティアに興味のある人が、定期的に、ある一定の期間継続的に行うものだとばかり思っていました。 ですが、そのCMで、「指一本で出来る」ボランティアっていうのがあるということを知りました。このコピー、秀逸ですよね。私は今でもよく覚えています。 でも実際、その場になると、なかなか気恥ずかしくて目の前の困っている人に声を掛けられないかも・・とも思いましたねえ。 ですが、ホームヘルパーやガイドヘルパーの仕事を始めて、本当に!!こういう「指一本で出来るボランティア」というのはある、役に立つ!!と実感しました。 私は車椅子の方の介助でよく外出します。 入り口にとても重いドアがある施設というのは多いんですよね・・。そういう施設の入り口でそのドアを開けていただくだけでとても助かる。 勿論、毎回私がやってもいいですし、苦になることではないんですが、私が一旦停止し、車椅子を止めてドアを開けて・・というアクションが一つ減るだけでもとてもありがたいなと思います。 そしてエレベーター。 テレビCMにもあった、エレベーターのボタンを押すだけのボランティア。 これもほんと〜に助かる!私は泣いて喜びます(涙)。うええええ。 と言うのもですね、 エレベーターって早く閉まるから、車椅子の方とエレベーターに乗ろうとしたら途中で閉まった、なんていうことはしょっちゅうです。 そのたびにガーン!と車椅子にエレベーターのドアが当たるわけです。これ、利用者さんはとても不快だと思います。ビクッ!としますしね。私達でも、乗っている途中にエレベーターが閉まったら結構不快でしょう? 勿論そうならないように、私がボタンを押せるまで押して、すぐに車椅子でエレベーターに乗る、ということをしているわけですが。 ですが、先にエレベーターに乗った方がエレベーターのボタンを押していて下さるだけでとても助かるんです。 エレベーターのドアがガーン!と閉まらず、利用者さんの車椅子に当たることがなく、安心してエレベーターの中に入れるのはありがたいです。 何度も言うようですが(笑)、別に私が毎回こういうことをするのは全然構わないのですが、どなたかがやって下さると、利用者さんもすごく嬉しいようです。 利用者さんは、毎回とても嬉しそうに「ありがとう、ありがとう」と言っておられます。 私がヘルパーとして介護を担当させていただいている方々というのは日頃自分達がどのように世間の人たちに見られているだろう?というのをとても気にしておられます。特に重い障がいをお持ちの方はそうだという気がします。 なので、こういう場面で、「世間の人たちの優しさ」に触れることで、利用者さんはほっとするのではないかと私は思います。 最近は、外出中に「何かお手伝いしましょうか」と聞かれることも増えてきました。実際には、外出援助中に、どなたかに介護の手伝いをお願いすることはありません。 ですが、そうやって声を掛けていただくのは、とっても嬉しいです。援助者である私も、利用者さん本人も。そして「指一本でボランティア」していただけることも、とても嬉しいです。 声を掛けるのはちょっと恥ずかしいかもしれないですけど、声を掛けてもらったらとても嬉しいものなのだ、と、在宅介護の仕事を始めて、心から実感しました。なので、恥ずかしくてためらっている方がいたら是非どうぞ♪♪と今は思います。 |